
中国の働き方は日本よりもアメリカに近いので中国人を雇用するときは注意!
中国の働き方は日本よりもアメリカにむしろ近い。という日本の方から見たら意外に思われるかもしれない事実をお話します。
近年は日本に留学してくる中国人の学生や、日本に働きに来る中国人も多くなっていますよね。しかし、日本において中国人を雇用する場合、「中国人の働き方に対するマインド」を理解していないと、コミュニケーションがうまくいかなかったり、離職率が高くなる可能性が高いので注意してください。
せっかく採用した中国人の労働者がすぐに辞めてしまうようなことがないように、この記事を通じて「中国人の働き方に対するマインド」をしっかり理解してください。そして、日本で働く中国人の方や、アメリカ人の方と気持ちよく仕事ができるようになって頂ければ幸いです。
中国人の働き方の特徴は食べるために働くこと
まず、中国人の働き方の特徴として、彼らが「食べるために働く」というマインドを持っていることを知っておいてください。中国人と日本人は同じアジア系の人種であり、欧米の人が見たらほとんど見分けがつかない場合も多いと思います。
しかし、驚くべきことに中国の人たちの考え方から働き方まで、アメリカに酷似しています。広州や深センはアメリカの西海岸にそっくりです。ですので、中国人は日本のような働き方をしません。アメリカや中国の人々は食べるために働くのです。
「えっ、それは日本も同じですよ。」とあなたは思うかもしれません。ですが、明確に違います。アメリカの人も中国の人もお金にならなければ働かないという合理的な思考をします。
雇用した中国人にサービス残業をさせようとしていませんか?
例えば会社で残業をするときのことを考えてみてください。日本人はサービス残業をする人が多いですよね。
中国本土でも996問題と言って、朝の9時から夜の9時まで週6日間働くような過酷な労働を会社側が労働者側に暗黙の了解として課していることがあります。特に都市部のIT企業で深刻化している問題です。
しかし、それは中国国内での話。日本で労働をする中国人は、給料の出ないサービス残業をするのは非常に嫌がります。先ほどお伝えした「食べるために働く」というマインドを持っているためです。
そこは根本的なマインドの違いなので、日本人と同じ扱いをすると気持ちよく働いてもらえなかったり、最悪の場合辞めてしまいます。
アメリカ人も優秀な人ほど残業はせずに、定時に家に帰って家族との時間を楽しむ傾向がありますが、中国人もその点はアメリカ人に近い考え方だと考えた方が良いのです。
日本で働き方改革が進まない理由
日本でも最近は「働き方改革」と称して生産性を高めて労働時間を減らそうという考え方を政府が進めていますね。しかし、なかなか進んでいないように見えます。これは、日本人に「生きるために働く」という考え方があることが原因であるように思います。
IKIGAI(生きがい)という日本語は、今では欧米でもかなり知られています。「好きなこと」「うまくできること」「社会に必要とされること」「お金がもらえること」が全部重なる概念がIKIGAIであるとして注目されています。
つまり、多少は金銭的に割に合わなくても、「生きがいを感じられることであればやる」という決断をする日本人も多いのです。日本の「生きがい」の考え方は素晴らしくもあると思いますが、だからこそ働き方改革は進まないのではないかと私は考えています。
そして、「生きがい」の概念は世界に広まっている一方で、その考え方を理解して「日本的な働き方」をしようとする中国人は少ないことを知っておいてください。
転職理由から考える日本と中国やアメリカの働き方の違い
働き方に対するマインドの違いは、転職の理由を見てもよくわかります。日本も昔に比べたら転職する人が増えているようですが、日本人が転職をする理由の多くは「やりがい」を求めての転職です。
今の職場の人間関係や労働環境に不満があり転職をする人が多いですよね。大企業からベンチャー企業に転職して、給料は下がるけどやりがいはある職場に転職するようなケースもあると思います。
一方で中国もアメリカも、転職する一番の理由はキャリアアップのためです。日本では1つの会社にずっといたほうが給料が上がるケースが多いですが、中国やアメリカでは能力に応じて転職を繰り返すことでキャリアが上がっていきます。
優秀な人を辞めさせないためには、日本人であればやりがいや会社の理念などで惹き付けることができるかもしれません。しかし、その考え方は中国人やアメリカ人には通用しません。中国人やアメリカ人には明確な給与体系を提示したり、自由な働き方を許すことの方が効果的と言えます。
働き方改革は日本人以上に、日本で働く外国人労働者のためにこそ積極的に進めたほうが良いと考えます。日本が働くにあたって魅力的な場所だと感じてもらえなければ、長い目で見て優秀な外国人労働者を集めることは難しいでしょう。
まとめ
今や日本でもコンビニや居酒屋などで中国人のアルバイトを採用することも多いと思います。今後、少子高齢化が進み、国内の労働者人口が減っていくことが確定している日本は、ますます外国人労働者の受け入れを進めていくことが考えられます。
それにともなって、中国人の労働者を採用する場面も増えることでしょう。特に能力の高い優秀な人材は日本も積極的に受け入れる体制を進めています。私は、それはとても良いことだと思います。一方で、そういった中国人を始めとする外国人労働者の人たちの働き方に対するマインドが、日本人と同じだと思ってはいけないと思い今回の記事を書きました。
労働に対する合理的な考え方、サービス残業や休日出勤をしない社内の体制であったり、能力に応じた明確な給与体系を整えるためにも、積極的に働き方改革を進めた会社が中国人の労働者とうまくやっていける会社になることでしょう。